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手引き書(改訂)―呼吸器内視鏡診療を安全に行うために―第4版

最終更新日:2023年2月17日 

日本呼吸器内視鏡学会安全対策委員会
委員長 堀之内宏久

 手引き書「気管支鏡検査を安全に行うために」は,日本呼吸器内視鏡学会安全対策委員会によって作成され,2005年にホームページ上に公開されました.その後,2010年に第2版を,2013年には「手引き書―呼吸器内視鏡診療を安全に行うために―」として,第3版へ改訂を行っています.
 情報処理技術の進歩により大量の情報を迅速に蓄積,処理することができるようになり,高精細CTの日常診療は当然のものとなり,気管支鏡検査に際して第5次以降の気管支分岐に対しての枝読み術も可能となり,また,ナビゲーションの導入も進んでいます.
 超音波気管支鏡の分野では超音波気管支鏡下縦隔リンパ節穿刺は必須の手技となり,ラジアル超音波プローブを用いたガイドシース使用超音波ガイド下末梢結節到達法による診断率の向上が明らかです.
 気管支鏡診療を巡っては,インターベンションの領域でも,ステントの改良は言うに及ばず,EWSの診療実績の拡大と適応疾患の適正化が進み,bronchoscopic volume reduction,thermoplastyなど,新しい治療手技も広がりを見せています.
 この4,5年を見ても上記のように,呼吸器内視鏡診療は大きな変化を見せており,気管支鏡の新たな時代に向けて,呼吸器内視鏡診療を安全に施行するための手引き書を新しくすべきであるとの意見が大きくなり,2015年に安全対策委員会で手引き書の改訂作業を行う方針が決定されました.
 気管支鏡診療はランダム化試験が行われにくい分野であるため,近年整備されつつあるガイドライン作成にそぐわない分野ともいえます.2013年に発表された,British Thoracic Societyのガイドラインも,その点では弱いエビデンスをもととしたエキスパートオピニオンが大半を占めています.
 今回の手引き書は,海外のガイドラインも参考にして本邦の気管支鏡診療の現状に即したものとなっています.麻酔と鎮静についてはエビデンスに即した改訂が行われています.また,本邦の現状に照らして改善が望ましい部分についても記載しました.
 本改訂版がこれまでと同様に呼吸器内視鏡実施施設における指標となり,第1,2,3版改訂時と同様に有意義に利用していただければ幸甚です.

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