日本呼吸器内視鏡学会
理事長 伊豫田 明
日本呼吸器内視鏡学会は昭和53年(1978年)に「日本気管支研究会」として発足し,昭和57年(1982年)に「日本気管支学会」と改称,平成15年(2003年)に「日本呼吸器内視鏡学会」へと改称し同年特定非営利活動法人となり,令和5年(2023年)一般社団法人へ移行し現在に至っております.
会員総数は令和7年(2025年)3月31日現在,7095名で,専門医3308名,指導医1690名,認定施設453施設,関連認定施設121施設で構成されています.本学会は,気管支鏡,胸腔鏡,縦隔鏡などに関連した呼吸器内視鏡診療に関する調査研究,教育活動,専門医の養成,支部会,他学会との連携などを通して,皆様が高度で安心して受けられる呼吸器内視鏡診療を実現するために努力しています.
具体的には,日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医制度によって,より高度な気管支鏡専門医を育成しています.また,学会誌として邦文誌「気管支学」と英文誌「Respiratory Endoscopy」を発行しており,本邦および海外の研究成果を世界に発信しています.さらに,気管支鏡テキストを発刊し,「手引き書―呼吸器内視鏡診療を安全に行うために―」,「喀血診療指針」,「気管支鏡の洗浄・消毒指針」,「クライオ生検指針」,「局所麻酔下胸腔鏡所見記載方法の標準化」,「気管支鏡所見分類の改訂」など,呼吸器内視鏡診療を安全に行うための指針等を作成しています.本学会は日本呼吸器内視鏡学会学術集会,気管支鏡専門医大会,気管支鏡セミナー,呼吸器インターベンションセミナー,呼吸器インターベンション実技セミナーなどを開催し,北海道,東北,関東,中部,北陸,近畿,中国四国,九州の各支部,および世界気管支学会(WABIP;World Association for Bronchology and Interventional Pulmonology)との連携を密にし,知識・技術の向上のための交流を積極的に図っています.
呼吸器内視鏡診療は,私の専門であります呼吸器外科と呼吸器内科が中心となって協力しながら,新機種の開発,技術の進歩,肺癌診療の著しい発展とともに診断,治療,両方共に大きな進化を遂げています.本邦の研究成果は世界に誇れるものであり,世界に向けて積極的に発信していくとともに,皆様に高度で安全な診療をお届けするために多くの医療従事者,さらには広く一般の方々にも,呼吸器内視鏡に対する認識を高めていただくことが極めて重要と考えております.本学会の活動につきまして皆様のご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます.