気管支鏡は硬性直達鏡として1897年にドイツの G.Killianらによって開発されたが,1966年,世界で初めて池田茂人が柔軟な気管支ファイバースコープを開発し,これにより気道内腔の可視範囲は著明に拡大した.手技のトレーニングも比較的短期間となり急速に普及し,肺結核に続き肺がんの早期診断と内視鏡的治療にも用いられるようになった.更に気管支鏡を用いた気管支・肺胞洗浄法の開発によって,気管支・肺細胞の採取が可能となり,各種呼吸器疾患の発症機構・病態解析に分子生物学的レベルで研究が進展した.一方気管支鏡そのものの改善やその応用開発も続いており,解像度の優れた電子スコープや更にその改良型の拡大気管支鏡,また自家蛍光による診断装置,超音波気管支鏡,バーチャル気管支鏡,末梢の病変に対しては極細気管支鏡等があり,各種検体採取の器具,CTガイド気管支鏡なども開発されている.治療には早期がんに対するレーザーや気管支腔内照射が開発され,気道狭窄に対して気道を保持する器具(ステント)の開発も進んでいる.早く1978年に日本気管支研究会が創設され,会員数と発表演題数の増加に伴い,1983年日本気管支学会と改称,更に2003年日本呼吸器内視鏡学会と改称,同年特定非営利活動法人日本呼吸器内視鏡学会を設立した.その後2010年日本医学会への加盟が認められた.また,学会の円滑な運営のために一般社団法人に移行することが決められ,2023年に一般社団法人日本呼吸器内視鏡学会に業務を順次移行することとなった.
本法人は,国民が高度で安心して受けられる呼吸器内視鏡医療を実現するため,気管支鏡及び縦隔鏡,胸腔鏡等を使用して行う診療の知識と技術の向上,呼吸器内視鏡の進歩と普及,調査研究,普及啓発,連絡,提携および促進・振興を図る事業を行い,よって,その進歩と発展を通して公共の福祉に貢献することを目的とする.
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